ゴミを拾って走る。でも「社会貢献」とは言わない - プロギングジャパン -
ジョギングをしながらゴミを拾う、プロギングという活動がある。日本で広げているのは、一般社団法人プロギングジャパン。ただしこの団体は、それを社会貢献のためにやるとは言わない。あくまで個人のフィットネスとして気軽に来てほしい、という考えがある。
きっかけは、自然への恩返し
Run&Dojo / Kazuma
今日はよろしくお願いします!さっそくですが、プロギングを始められたきっかけを教えてください。
プロギングジャパン / 常田
よろしくおねがいします!始まりは自分がワンダーフォーゲル部で、クライミングもやっていました。山とか、岩を登る側の人間だったんです。
Run&Dojo / Kazuma
もともとランナーだったわけではない、と。
プロギングジャパン / 常田
そうなんです。クライミングって、自分にとっては自己満足的だったというか、岩に登ったとしても、達成感はもちろんありますけど・・・どちらかといえば、自然にはさんざん遊ばせてもらってきたので、恩返しとしてできることはないのかな、とは考えるようになりました。
Run&Dojo / Kazuma
なるほど、そこが出発点なんですね。
プロギングジャパン / 常田
そんな時に北欧に行った友人が、「あっちでは走ったらゴミ拾ってるプロギングって活動があるよ」と言っていて。それを聞いて、面白そうだなと。そこが最初のきっかけですね。
Run&Dojo / Kazuma
そこからイベントを始めた、と。
プロギングジャパン / 常田
はい。大学在学中に活動は初めて、卒業と同時に一般社団法人化しました。いまは参加者20名に対してプロギングリーダーを1人つけて、一緒に走っていく形にしています。最小単位が20名になるんですが、大きいイベントだと160名くらいの回もあります。いまは150くらいのプロギング団体に広がってきましたね。
ひとつ目は、カラダ
Run&Dojo / Kazuma
プロギングのポイントって、どのあたりだと思いますか。
プロギングジャパン / 常田
3つあると思っています。ひとつ目は身体的なところで、プロギングは通常のジョギングよりも1.2倍のカロリーを消費すると言われているんです。
Run&Dojo / Kazuma
拾うぶん、動きが増えるということですね。
プロギングジャパン / 常田
そうです。あと、初心者の方に「3km走ります」と言うと身構える人も多いと思うんですけど、実際はおしゃべりしたり、拾って広げたりしながらなので。
Run&Dojo / Kazuma
まっすぐ走るわけではない、と。
プロギングジャパン / 常田
まっすぐ向かうわけではないので、気づいたら終わっているんです。
ふたつ目は、心
Run&Dojo / Kazuma
ふたつ目は。
プロギングジャパン / 常田
心のほうですね。体を動かすと幸福度が上がって、社会貢献をするともっと上がる。終わったあとがめちゃくちゃ清々しいのと、あと、まだ仮説の段階ではあるんですが、他の趣味に比べて快楽順応が起こりづらいのではないかと考えていて、研究も行っています。
Run&Dojo / Kazuma
快楽順応、というと。
プロギングジャパン / 常田
「もうつまんないな」と思いにくい、ということです。マラソンだと、最初は走り切っただけでも「すごいじゃん」となりますけど、だんだんその感覚になれてくるというか。
Run&Dojo / Kazuma
たしかに、慣れてしまうところはあります。
プロギングジャパン / 常田
プロギングは不確定要素がたくさんあるんです。ゴミが多い日もあるし、人もちがう。毎回、環境が違うというのもあって、なかなかそういった慣れが発生しにくいと言われています。
三つ目は、交流
Run&Dojo / Kazuma
なるほど、三つ目は。
プロギングジャパン / 常田
交流です。ランニングコミュニティとか、誰かと走ったりすると、「喋ったほうがいいかな」となりますよね。でもプロギングだと、袋に入れ合ったりするので、自然とそこが会話のきっかけになるんです。
Run&Dojo / Kazuma
たしかに、別に話を「しにいく」というより「自然に生まれる」というかんじですもんね。
プロギングジャパン / 常田
そうなんです。
「社会貢献」と言わない理由
Run&Dojo / Kazuma
結構気になっているのが、ゴミ拾いって社会貢献というイメージがあって、真面目すぎるというか、そういう見え方とかにもなりやすいのかなと思っています。そのあたりどうなんでしょうか。
プロギングジャパン / 常田
まさにそうで、私としては「社会貢献」と言うよりも、「個々人がやるフィットネス」として広めたいというのがあります。
Run&Dojo / Kazuma
なるほど。もちろん社会貢献ではあるとおもうんですが、あくまで自分のためにやるものだと。
プロギングジャパン / 常田
はい。社会貢献と言うと、ちょっと重く感じられることもあると思うので。それよりは、気軽にフィットネスしにいくんだ、くらいの感覚でプロギングに参加して欲しいと思っています。
Run&Dojo / Kazuma
たしかに、ちょっとそういう活動だと認識された瞬間に身構えるというか離脱する人も多そうですね。
プロギングジャパン / 常田
そうなんです。個人的には、ゴミを拾うときに腰を落とすとかも体勢は低くなりますし、そういうところもフィットネスになっていると思うんですよね。
焦らずに来た6年
Run&Dojo / Kazuma
大学在学中から活動されているとお伺いしました。いつから活動されているんですか。
プロギングジャパン / 常田
2019年から始めて、2020年、大学卒業のタイミングで一般社団法人にしました。なので6年前後でしょうか
Run&Dojo / Kazuma
私とほとんど年齢かわらないくらいですが、本当にすごくないですか(笑)こんな団体を立ち上げて大きくされていて。
プロギングジャパン / 常田
いやそんなことは(笑)
Run&Dojo / Kazuma
苦労されたこととか、そのあたりはどうですか。
プロギングジャパン / 常田
最初はコロナがあった時期と重なっていたので、開催できないとかもありました。ただ、最初は来てくれるだけで嬉しくて、焦りもあまりなかったんです。一気に広げようというよりも、ジワジワ広げていこうという気持ちはあったと思います。あんまり苦労したという感覚はないですね。
Run&Dojo / Kazuma
いま課題に感じていることはありますか。
プロギングジャパン / 常田
コミュニティづくりと、継続ですね。プロギングの団体数は150団体ほどあるんですが、継続していく難しさを感じています。プロギングが文化として、どんどん「俺たちも頑張ろう」と盛り上がっていく必要があると思っています。
Run&Dojo / Kazuma
お忙しい中ありがとうございました!直近だと9月末にも各地で開催されるそうですね。
プロギングジャパン / 常田
はい、全国各地で行われます。ぜひ足を運んでみてください!